リスティング広告の【全種類】をご紹介


検索キーワードに連動して表示されるリスティング広告は、Webマーケティングの強力な武器。SEO対策だけでは時間がかかる上位表示も、広告費を投じることで即座に上位に掲載することが可能です。

※「リスティング広告」とは、検索結果に現れるテキスト広告だけでなく、Webサイトなどに表示されるディスプレイ広告を指すこともあります。しかし、リスティング広告と言う場合は、検索エンジンの結果ページに表示される広告のことを意味するのが一般的です。

👆「スポンサー」と表示されているのがリスティング広告

この記事では、リスティング広告の主流であるGoogle広告とYahoo!広告、さらにMicrosoft広告という3つのプラットフォームの特徴と、リスティング広告の配信準備をわかりやすく解説します。

リスティング広告の種類

①Googleリスティング広告

Googleリスティング広告は、世界最大の検索エンジンであるGoogleの検索結果に表示される広告です。ユーザーが特定のキーワードで検索した際、その検索意図に合致した広告が上位に表示される仕組みがあります。

主な特徴としては、キーワードに基づいて広告が表示されるため、高いターゲティング精度を誇ります。また、クリック課金制を採用しており、広告がクリックされた場合にのみ費用が発生するため、効率的な広告運用が可能です。

さらに、Googleの膨大なデータとAI技術を活用することで、広告の表示対象やタイミングを最適化し、高い費用対効果を実現します。

②Yahooリスティング広告

Yahoo!リスティング広告は、日本国内で幅広いユーザーにリーチでき、特に40代以上のユーザー層に強く、購買意欲の高い層へのアプローチに強みを持っています。

主な特徴として、Yahoo! JAPANの検索結果に広告が表示されるため、ユーザーの検索意図に沿った広告配信が可能です。また、地域ターゲティングや属性ターゲティングなど、詳細なターゲティング設定により、効率的なディスプレイ広告を出すことも可能です。

さらに、Yahoo! JAPANの関連サービスや提携サイトへの広告配信も可能であり、多様な広告掲載面を活用できます。

Yahoo!リスティング広告も、クリック課金制を採用しており、広告がクリックされた場合にのみ費用が発生するため、費用対効果の高い広告運用が期待できます。また、広告管理ツールも充実しており、広告のパフォーマンス分析や改善がしやすい媒体と言えます。

③Microsoftリスティング広告

Microsoftリスティング広告は、主にBing検索エンジンに表示される広告であり、他の主要なプラットフォームとは異なる独自の強みを持っています。

特に、ビジネス層へのリーチに優れており、LinkedInとの連携による精度の高いターゲティングが可能です。これは、役職や業界などのビジネス属性に基づいた広告配信を可能にし、BtoBマーケティングにおいて高い効果を発揮します。

また、Google広告とのインポート機能も備えており、既存のキャンペーンを容易に移行できるため、新規参入のハードルが低い点も特徴です。

さらに、Microsoft広告は比較的競争が少ないため、クリック単価が抑えられる傾向があります。これにより、限られた予算でも効率的な広告運用が期待できます。

Bing検索エンジンは、Microsoft製品との連携により、特定のユーザー層に強く訴求できるため、新たな顧客層へのアプローチを検討している企業にとって有効な選択肢となります。

配信面

この3つの広告媒体は、各社が運営する検索エンジンの検索結果ページだけでなく、提携している様々なパートナーサイトにも広告を掲載することができます。これによって、広告のリーチを広げ、より多くのユーザーにアプローチすることが可能です。

①Google広告
Google検索エンジンに加えて、YouTubeやGmailなど、Googleが提供する多様なサービスや、Googleと提携しているWebサイトやアプリに広告を表示できます。

②Yahoo!広告
Yahoo! JAPANの検索結果はもちろん、Yahoo! JAPANが提供する様々なサービスや、提携しているパートナーサイトに広告を配信できます。

③Microsoft広告
Bing検索エンジンに加えて、Microsoft EdgeのスタートページやMSNなどのMicrosoft関連サービス、および提携パートナーサイトに広告を表示できます。

配信ボリューム

検索ボリュームに関しては、Googleが圧倒的なシェアを誇っています。Googleは、日本の検索エンジン市場において75.75%と高い利用率を占めており、多くのユーザーがGoogle検索を利用しています。そのため、Google広告は他のプラットフォームと比較して、広告の表示機会が多く、より広範なユーザーにリーチできる可能性があります。

CPC(クリック単価)

CPC(クリック単価)は、広告の競争状況やターゲティング設定などによって変動しますが、一般的には、ユーザー数の多いプラットフォームほど高くなる傾向があります。

Google広告は、ユーザー数が多いため、競争が激しく、CPCが高くなる傾向があります。Yahoo!広告とMicrosoft広告は、Google広告と比較すると、CPCが比較的抑えられる傾向があります。特に、Microsoft広告は、競争が比較的少ないため、コストを抑えて広告を配信できる可能性があります。

Googleリスティング広告の特徴

Google広告の最大の強みは、主要な検索エンジンの中で圧倒的なシェアを誇り、広範なリーチと高いインプレッション数を獲得できる点です。

日本の検索エンジン市場において、パソコンとスマートフォンの両方で7割以上のシェアを占めており、2位のYahoo!と比較してもその差は3倍以上に及びます。この圧倒的なシェアから、リスティング広告の主要なプラットフォームとして広く活用されています。

Google広告で現在配信できる広告形式としては、自動的に見出しと説明文を組み合わせて表示するレスポンシブ検索広告が主流です。広告の配信先は、Googleの検索結果やショッピングタブに加え、gooやmsnなど、Googleと提携して検索結果に広告を掲載するGoogle検索パートナーも含まれます。

Google広告は、クリック単価にも特徴があります。キーワード設定や品質スコアなどの状況によって変動しますが、一般的に、Google広告はYahoo!広告やMicrosoft広告と比較してクリック単価が高くなる傾向があります。これは、他の2媒体と比較して広告を出稿している企業が多いため、競争が激しいことが要因と考えられます。特に、BtoBサービスにおいては、この特徴が顕著に現れることが多いです

Yahoo!リスティング広告の特徴

Yahoo!検索広告の最大の利点は、国内で広く利用されている検索エンジン「Yahoo! JAPAN」の検索結果に広告を掲載できることです。LINEヤフー社が発表したデータによると、2022年時点で月間アクティブユーザー数は8,500万人に達しています。ユーザー層は男女比がほぼ均等で、40代以上が全体の約3分の2を占める点が特徴です。

広告形式はGoogleと同様に、見出しと説明文を自動で組み合わせるレスポンシブ検索広告が採用されています。配信先はYahoo! JAPANの検索結果に加え、朝日新聞デジタルやexciteといったLINEヤフー社と提携しているパートナーサイトも含まれます。

広告のクリック単価は、商材やサービスによって異なりますが、一般的にGoogle広告よりも低めに抑えられる傾向があります。

Microsoftリスティング広告の特徴

Microsoft広告は、2022年5月31日に提供が開始された比較的新しい広告プラットフォームです。広告の主な配信先は、Microsoftが提供する検索エンジンであるBingです。

広告形式は、Google広告やYahoo!検索広告と同様に、レスポンシブ検索広告が採用されています。以前は拡張テキスト広告(入稿した通りに広告文が表示される)も利用可能でしたが、2023年2月1日以降、新規作成や既存広告の編集はできなくなりました。

Microsoft広告の特筆すべき点として、他の2つの媒体と比較して、CPC(クリック単価)が比較的低い傾向にあることが挙げられます。サービス開始当初は、Microsoft広告を出稿する企業が少ない状況でしたため、特にCPCが低く、実際に運用してみてもCPCの低さを感じることができました。

しかし、近年ではMicrosoft広告を出稿する企業が増加してきたことにより、以前よりもクリック単価が上昇しているキーワードも出てきていると考えられます。概ね1クリック50円~80円程度で出稿できる状況となっております。

リスティング広告の配信準備【概要】

リスティング広告の配信は、6つのステップを経て開始することができます。各設定項目は予め定められた形式に沿っているため、各媒体、独自の審査基準を設けていますが、その審査をクリアしたその日からの広告掲載が可能です。

ここでは、リスティング広告の配信開始までの手順を、下記6つのステップに分けて解説します。リスティング広告を検討している方や始めようと考えている方は、ぜひこちらを参考にしてみてください。

広告アカウント作成

広告アカウント設定が完了したら、各媒体の広告管理画面にログインし、広告配信の準備を開始します。

Google・Yahoo!・Microsoftの検索広告は、アカウント、キャンペーン、広告グループの3階層構造を採用しており、上位階層から順に設定を進めます。

キャンペーン設定

まずキャンペーン設定では、広告予算やターゲット地域を指定します。商材やサービスごとに広告予算を細かく分けたい場合や、地域によって配信内容を分けたい場合は、キャンペーンを分割して作成しましょう。

キャンペーンの設定項目は多岐にわたりますが、特に「配信スケジュール」「配信エリア」「広告日予算」はキャンペーン階層でのみ設定可能です。これらの設定漏れは、予算の超過や無駄な広告表示に繋がるため、設定内容を慎重に確認することが重要です。

①配信スケジュール
広告を表示する曜日や時間帯、入札単価の調整が可能です。特定の曜日や時間帯のみに配信を絞るだけでなく、特定の曜日の入札比率を上げるなどの設定も可能です。BtoB商材の場合、企業の営業時間帯に絞った配信も有効です。

②配信エリア
広告の配信地域を設定できます。Google広告とMicrosoft広告では、都道府県や市区町村だけでなく、特定の地点からの半径距離を指定した配信も可能です。Yahoo!検索広告では、都道府県と市区町村の指定が可能です。

③広告日予算
月間の広告予算を日割り計算して設定します。1日の予算を超過する場合がありますが、月間の合計予算を超えないように調整されます。

広告グループ設定

キャンペーン設定が完了したら、次の階層である広告グループの設定です。

広告グループは、広告とキーワードをまとめている階層です。その構成方法は、案件の内容や目標、実際に運用を担当する運用者によって異なりますが、重要なのは広告を基準にグループを作成することです。ターゲットにしているユーザーに伝えたいコト、つまり広告の内容が異なる場合は、広告グループを分ける必要があります。

例として、オンライン資格取得スクールの広告を配信する場合、資格の種類(宅建、簿記、FPなど)によって広告グループを分けたり、学習期間(短期集中、じっくり学習など)などのスタイルによって、広告グループ分けたりすることが考えられます。

キーワード設定

キーワード設定では、広告を掲載したい商品やサービスに関連して、ユーザーが検索する可能性のある語句を設定します。ユーザーの視点に立ち、各媒体検索エンジンの検索窓にどのような語句で検索するかを想像することが非常に重要です。

またキーワードを設定する際には、キーワードと検索語句の一致度合いを示す「マッチタイプ」を指定する必要があります。マッチタイプには、完全一致、フレーズ一致、部分一致(新名称:インテントマッチ)の3種類があり、同じキーワードでもマッチタイプによって広告が表示される検索語句が異なります。

以下は、「福岡 リスティング広告」という語句を各マッチタイプで登録した場合に、広告が表示される可能性のある検索語句の例です。

参考:キーワードのマッチタイプについて | Google 広告ヘルプ

各マッチタイプにはそれぞれ独自の特性があります。

それぞれの特徴を理解し、意図とするキーワードで広告配信ができるようにした適切なマッチタイプ設定を行いましょう。

マッチタイプ①:完全一致
指定したキーワードと同一の意味を持つ検索語句に対して広告を表示するマッチタイプです。広告の表示する検索語句を最も絞り込むマッチタイプのため、フレーズ一致や部分一致に比べて広告が表示される検索数は少なくなります。「完全一致」という名称から、キーワードと完全に一致する検索語句にしか広告が表示されないと認識しそうになりますが、媒体が誤字脱字や類義語と判断した場合には広告が表示されることもあります。

マッチタイプ②:フレーズ一致
指定したキーワードと同一の意味を含む検索語句に対して広告を表示するマッチタイプです。キーワードの語順が異なっていたり、追加の語句が含まれていたりしても、意味が同じであれば広告が表示されます。

マッチタイプ③:部分一致
指定したキーワードと関連性のある検索語句に対して広告を表示するマッチタイプです。キーワードと直接的な関係がない検索語句に対しても、関連性が認められれば広告が表示される可能性があります。部分一致では、媒体のシステムがキーワードの意味を解釈するため、登録したキーワードの意図とは異なる検索語句に広告が表示されることもあります。

広告作成

キャンペーン、広告グループ、キーワードの設定が完了したら、最後に実際に配信する広告を作成します。

広告作成時に必須となる設定項目は、以下の4点です。

①広告見出し(タイトル)
②説明文
③表示URL
④パス(表示URLのディレクトリ)


Yahoo!検索広告では名称が違う項目が一部ありますが、必要な設定内容はどの媒体でも同じです。それぞれの媒体で定められた文字数制限などに注意しながら設定を進めましょう。実際の広告では、上記の要素がそれぞれ下記のような配置で表示されます。

また、上記4つの基本要素に加え、広告文だけでは伝えきれない追加情報(サイト内の特定ページへのリンク、電話番号、住所など)を表示できる「アセット」という機能も利用できます。アセットはリスティング広告の表示面を大きくすることができ、視認性を高めることができますし、サービスや商品に応じて設定するできるので、広告の効果を高める傾向にあります。

ただし、アセットを設定しても必ず表示されるわけではありません。アセットは広告のパフォーマンス向上が見込まれる場合に限り、掲載順位や広告ランクを考慮して表示される仕組みです。

広告審査

広告作成後、各媒体は定められた基準とガイドラインに基づき、広告内容の審査を行います。このプロセスでは、広告のメッセージ、使用される画像やテキストの妥当性、そしてリンク先ウェブページの品質などが綿密にチェックされます。

もし審査の結果、広告がガイドラインに違反していると判断された場合、広告は承認されずに却下されます。このような状況では、広告主は媒体から指摘された問題点を詳細に確認し、必要な修正を施した後、再度審査を申請することができます。

一方、すべての審査基準を満たした広告は承認され、晴れて広告配信が開始されます。広告配信が始まった後は、各媒体の管理画面を通じて、広告が意図した通りに正しく表示されているかを定期的に確認することが重要です。この確認作業を通じて、予期せぬ問題や表示の不具合に迅速に対応し、広告の効果を最大化することができます。

リスティング広告をマスターしよう!

この記事では、リスティング広告の中でも特に利用されているGoogle広告、Yahoo!検索広告、Microsoft広告の三つを取り上げ、各媒体の特性と設定項目を解説しました。

今回の解説を通じてリスティング広告を検討している方の参考になりましたら嬉しい限りです。また、各広告媒体は日々アップデートが進んでいるため、常に新しい情報をキャッチアップすることが非常に重要です。リスティング広告を配信した後も、アンテナを張るクセを付けることも大事です。

私も常に最新の情報を追求し、自己研鑽を怠らないように努めたいと思います。当サイトでは、他にもリスティング広告に関連する様々なテーマの記事を提供しておりますので、ぜひご参照ください。

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